タンザニア・ビジネスニュース(2014年11月下半期) |
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(1)JOGMEC、加鉱物会社との間でレアメタルの共同探鉱契約を締結(天然資源)JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、カナダのゴールド・キャニオン・リソーシズ社とムトワラ州マサシ県のレアメタル鉱徴における共同探鉱(JV)契約を締結。同JV、スプリング・テイク社の出資比率はJOGMEC90%、ゴールド・キャニオン社10%で、既にタンザニア鉱物エネルギー省からマサシ県の117平方メートルの探査権を取得し、第1フェーズを開始。なお、同フェーズ探査事業を受注したオペレーターはMINDECO(三井金属資源開発株式会社)。 2014年11月12日ゴールド・キャニオン・リソーシズ社プレス発表 2014年11月27日JOGMECニュース発表 |
(2)鶏の羽を利用した蚊帳の研究(製造)タンザニアのイファカラ健康研究所(IHI)は、国内外の提携先と共同で鶏肉産業の廃棄物である鶏の羽を利用した殺虫剤処理済蚊帳の研究を進めている旨説明。同研究は現在初期段階で、大規模生産には一年間程度が見込まれる。低所得国における保健医療問題の解決のための斬新な解決策に対し、1件当たり10万加ドルまでの助成金を提供するグランド・チャレンジズ・カナダからの資金提供を得られれば、第2フェーズとして同事業の拡大計画の実施が可能となり、既存の蚊帳を補完する手に入れ安く手頃な価格で、より耐久性が強い蚊帳の普及が可能となる旨発言。 2014年11月16日付デイリーニュース第1,3面 |
(3)越アパレル大手Garco10社、タンザニアからの綿輸入を検討(農業)ベトナムの大手アパレル企業Garment 10(Garco 10)社は、キクウェテ大統領がベトナムを訪問した際に、タンザニアからの綿輸入の可能性について発言。同社は、現在米国及びインドから綿を輸入しているが、輸出量及び品質を保証出来る場合には「タ」からの輸入を行う準備がある旨及び国内外を問わず相互利益を生む新規事業・合弁事業を立ち上げる事に前向きである旨説明。これに対し、「キ」大統領に同行のチザ農業食糧安全保障協同組合大臣は、同件を今後フォローしていく旨発言。なお、両国間の2013年貿易額は1億500万米ドル。内、タンザニアの対越輸出額は、8,000万米ドルで、輸出品は綿、カシューナッツ及び家畜飼料等。 2014年11月18日付デイリーニュース(ビジネス版)第1,3面 |
(4)韓国の支援によるフライオーバー橋ダルエスサラームに建設へ(建設)18日、マグフリ建設大臣はタンザニア政府が韓国政府との間でダルエスサラーム市内のフライオーバー橋建設に関する合意文書に署名した旨発表。このフライオーバー橋は、ムササニ半島と市内南部のバラック・オバマ道路を結ぶ総延長7.1キロメートルの4車線及び歩道部分の道幅を有するもの。内、海をまたぐ橋部分は1.2キロメートルとなる予定。総工費は、1,100億シリング。内、80%は韓国政府により手当される。タンザニア道路公社のムフガレ総裁は、韓国によるF/Sは11月に完了しており、建設開始は2015年の早い段階となる旨説明。完成には2年間を要する見込。 2014年11月19日シティズン第1,3面 2014年11月19日デイリーニュース第3面 |
(5)タンザニアのEAC域内貿易額、15億米ドル超(貿易)18日、東アフリカ協力省のマプンジョ次官は、東アフリカ共同体(EAC)域内貿易に占める2013年のタンザニアの貿易額は2005年の15%から26%、15億米ドルに増加した旨発言。主な輸出品は棒鋼、調理油、セメント及び織物。なお、EAC域内5ヵ国の総人口は1億4,350万以上、実質域内総生産は1,103億米ドル。 2014年11月19日デイリーニュース第19面 |
(6)印ヒンドゥスタン・エンジニアリング・アンド・インダストリーズ社、貨車50両をタンザニア鉄道公社に納入(運輸)19日、インドのヒンドゥスタン・エンジニアリング・アンド・インダストリーズ社(HEIL)は、タンザニア鉄道公社(TRL)に83億シリング相当の貨車50両を納入。引渡し式典に出席したムウィンジャカ運輸省次官は、今年12月から来年2月までの間に残りの貨車224両の納入を予定している旨説明。また、今年12月末には新規客車22両がダルエスサラーム港に到着する見込。 2014年11月20日付シティズン10面 2014年11月20日付デイリーニュース第1,3面 2014年11月20日付ガーディアン第5面 |
(7)蘭ロイヤル・フィリップス社、アフリカ地域に家庭用調理器具を導入(製造・家電)オランダの大手家電・電気・医療機器メーカー、ロイヤル・フィリップス社は、SNVオランダ開発機構と共同で農村部の家庭における健康、低所得、環境等の問題に対応する、よりクリーンで効率的な調理用ストーブを導入する旨発表。フィリップス社はアフリカ市場・環境に関する知識、ネットワークを有するSNVとの提携により、新製品の開発及びビジネス機会の開拓を実現。同製品の導入に向け、プロモーション、コミュニティー教育及び購入の為の資金借入機会の提供等を実施。世界エネルギー機関(IEA、2014)の「アフリカ・エネルギー展望」によれば、サブサハラ・アフリカ地域の5人に4人、約7億3,000万人が燃焼効率の低い固形バイオマス(木質燃料等)を調理に利用。なお、フィリップス社は、9月に本体を家電(消費者ライフスタイル)とヘルスケア領域を融合するHealth Tech部門と照明部門の2部門に分割。同社はHealth Tech部門の潜在市場規模は1,000億ユーロ規模に及ぶと分析。 2014年11月25日付ガーディアン(ビジネス版)第1面 IEA(2014)「アフリカ・エネルギー展望」 2014年9月23日 ロイヤル・フィリップス社ニュース発表 |
(8)ムトワラ-ダルエスサラーム間天然ガス・パイプラインの試運行は1月開始(天然資源・電力)タンザニア石油開発公社(TPDC)は、現在敷設中のムトワラ-ダルエスサラーム間の天然ガス・パイプラインの試運行を1月から6ヶ月間実施する旨発表。また、ムトワラ県マディンバ地区及びキルワ県ソンゴソンゴ島(リンディ州)における天然ガス精製プラントの建設は完了している旨も併せて発表。同パイプライン事業により1メガワット当たりの火力発電コストは現在の0.34米ドルから0.12米ドルに削減される見込。同事業にかかる借入額は12億2,500万米ドル。 2014年11月25日付ガーディアン第5面 2014年11月27日付ガーディアン |
(9)タンザニアのセメント生産量、倍増見込(製造・建設)25日、国会において、ムベネ産業貿易副大臣は、タンザニア国内におけるセメント生産量は今後数年間で倍増の600万トンに達する旨発言。好調な建設業を背景に需要が増加している国内セメント業界には、レーク・セメント社、リー・セメント社、ダンゴーテ社等新規に7社が参入。2013年の生産量は300万トン、前年からの増加率は18.9%。 2014年11月27日付デイリーニュース第19面 |
(10)英SABミラーとコカ・コーラ、アフリカの清涼飲料事業で協力へ(製造)27日、英国のSABミラー社は、コカ・コーラ社の主要株主投資グループ、グーチェ・ファミリー・インベストメント及びコカ・コーラ社との間で南部・東部アフリカ地域における清涼飲料水ボトリング事業、コカ・コーラ・ビバレッジ・アフリカ社を設立する旨発表。アフリカ最大のボトリング事業となる合弁事業の第1フェーズは、タンザニア及び同社本部となる南アフリカ等を含む9ヵ国で実施。第2フェーズは第1フェーズ終了後12から18ヶ月間後に完了する見込で、コカ・コーラ社のアフリカ域内販売数の40%を占めるアフリカ12ヵ国において展開予定。株式保有率は、SABミラー57%、グーチェ31.7%、コカ・コーラ11.3%。年間売上高見込は29億米ドル。 2014年11月28日付シティズン 2014年11月27日SABミラープレス発表 |
(11)LNG生産開始は、2022年頃(天然資源)Statoil社のマン・タンザニア業務部長は、現在ムトワラに建設が検討されている天然ガス液化投資事業における液化天然ガス(LNG)の生産開始は2022年または2023年頃となる旨発言。 2014年11月29日付デイリーニュース第19面 |
(12)タンザニア、若年層の失業率は42%(社会・ビジネス環境)タンザニアにおける若者(15歳から29歳)の失業率はサブサハラ・アフリカ8ヵ国(ベニン、マダガスカル、マラウィ、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア)中最高の42%。国際労働機関(ILO)は、教育と雇用の密接な関わりを説明。タンザニアの若年層の58%は、「十分な教育」を受けておらず(undereducated)、学歴に比例して収入及び安定した雇用機会が低下。他方、高学歴者の期待する賃金・雇用条件と雇い主側の求める専門性との間のミスマッチ等により、8ヵ国全体では学歴が高くなるほど失業率が高くなる傾向にある。なお、タンザニアの若年層の最終学歴は、初等教育が38.6%、中等教育が49.6%で、失業率はそれぞれ、27.1%と50.9%。「必要以上の教育」を受けている(overeducated)就業中の若者は13.2%。仕事探しの方法は、44.3%が雇用センターへの登録(8ヵ国中最多)、22.3%が友人・知人等を通じて(8ヵ国中最少)。 2014年11月28日付ガーディアン第3面 Elder, S. and Kone, K. S. (2014) 「Labour market transitions of young women and men in sub-Saharan Africa」ILO: Geneva |
