日本タンザニア経済関係
1.在タンザニア日系企業
タンザニアに拠点を置いて活動している日系企業数はまだまだ限られているが、着実にその数を増している。
北部のアルーシャでは、住友化学が現地企業と合弁で、マラリア蚊対策に有効な「オリセット・ネット」という蚊帳を製造している。また,タンザニアでは年々塗装されたトタン屋根の需要が拡大していることから,2017年8月に関西ペイントが新たに進出。同社は,防蚊成分を含む漆喰塗装の普及も目指している。
この他にも,日本とタンザニア間の貿易を中心に活動する商社、日本人旅行客に対するサービスを中心とした旅行代理店の他、道路建設等のODA事業、ガス火力発電所建設、日本からタンザニアへの輸出品目第一位である中古車の輸入、地方電化に携わる会社など、数は少ないながらも、日本企業が様々な分野で活躍している。
2.タンザニア日本人会商工部会
アフリカに対する日本企業の関心が高まってきたことを受け、2011年に,当国の日本人会の下に,タンザニアで活躍する日本企業が中心となって「商工部会」を設立した。同部会は,現在タンザニアに拠点を置く17法人を正会員、主にナイロビやヨハネスブルク,本邦からタンザニアをカバーする12法人を準会員として活動を展開している。日本政府による官民連携での取り組みが活発化する中、国際協力機構(JICA)及び日本貿易振興機構(JETRO)も、商工部会等のネットワークを通じて日本企業のタンザニアにおける事業展開を支援している。
商工部会では、年に一回の総会の開催のほか、工場視察ツアー及び部会員の関心分野に関する勉強会等を定期的に行っている。年会費は、現在、正会員500ドル、準会員150ドルである。なお、商工部会の事務局の作業は、2018年8月時点では民間企業,JICAタンザニア事務所及び当大使館の経済・開発協力班によって構成される幹事会が行っている。
現在、在タンザニア大使館は日本人会商工部会と共同で当地関係省庁と意見交換会を開催し、日本企業がタンザニアで起業・事業展開するにあたり直面する問題点をタンザニア政府に共有・提起する等、当地のビジネス環境改善に資するべく取り組んでいる。