大使ご挨拶

令和4年8月25日
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 2022年8月25日にサミア大統領に天皇陛下からの信任状を奉呈させていただき、正式にタンザニアでの日本代表として活動を開始いたしました。
 
 昨年12月、タンザニアは大陸側のタンガニーカ共和国独立60年を迎えました。私もちょうど還暦、まだまだこれからという気分ですが、タンザニアは今、国としてまさに青春真っ只中と言えます。何といっても人口6200万人の平均年齢は約18歳、毎年約3%すなわち180万人の人口増加を続けています。
 
 私がタンザニアの様々なニュースに触れて感じるのは不思議な親近感と懐かしさです。日本では戦後の奇跡的な復興の中、第一次ベビーブームピーク時の人口増加率がちょうど3%でした(1946年人口7600万人)。60年代から70年代、第二次ベビーブームに突入していた私の少年時代には、小学校では子供がどんどん増えて校庭にプレハブ校舎が建設されたり、学校が次々新設されました。そういった雑多な中にも明日への変化と期待、活気に満ちた空気が思い出されます。切り詰めた生活の中での、2回のオイルショック、狂乱物価、公害問題など子供心に強烈な印象がありますが、一方で、新幹線、高速道路、万博など新しいもの、カッコイイもの、大がかりなイベントに胸を踊らせたことを思うにつけ、若いタンザニアが今この疾風怒濤の時代をどんな明日に繋げていくのか、興味は尽きません。
 
 タンザニアは日本とは地理的にも民族的には大きく異なりますが、色々共通点もあります。素晴らしい自然公園の数々、キリマンジャロなどの素敵な山、そして長い歴史が刻まれた美しいザンジバル島を抱える魅力的な国で、その中に入れば親切で温和な多くの人たちが暖かく迎えてくれます。私たち日本人は、タンザニアの人々とともに新しいチャレンジに挑み、共に学ぶ気持ちでこの素晴らしい国との新たな協力関係の時代を築いていけると信じています。
 
 駐タンザニア日本国大使として両国の交流と協力促進に全力を尽くしていきますので、皆さんのご協力をよろしくお願いします。
駐タンザニア連合共和国特命全権大使  三澤 康