現地メディア向け開発協力プレスセミナー・ツアーの開催(JICAタンザニア事務所共催)
令和5年11月8日
10月17日から19日にかけて、当館は現地メディア向けプレスセミナー・ツアーをJICAタンザニア事務所と共催で実施し、新聞・テレビ13社18名(主要英字新聞3社、地元スワヒリ語新聞1社、テレビ局5社、ラジオ局2社、オンラインメディア2社)の記者及びカメラマン等が参加しました。このプレスツアーは、本年30周年を迎えるTICAD及び10周年を迎えるABEイニシアチブを記念し、これらの取組を踏まえた我が国の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やすとともに、タンザニアの政府関係者、知識層のみならず、広くタンザニア国民への情報発信を強化するためのものです。
プレス一行は、キリマンジャロ州、アルーシャ州を訪れ、我が国のタンザニアへの開発協力とTICAD、ABEイニシアチブに関するプレスセミナーを受けた後、JICAによる有償・無償・技術協力プロジェクトや草の根・人間安全保障無償資金協力事業等に係る支援現場の視察を行いました。
【1日目】
プレス一行は、キリマンジャロ州、アルーシャ州を訪れ、我が国のタンザニアへの開発協力とTICAD、ABEイニシアチブに関するプレスセミナーを受けた後、JICAによる有償・無償・技術協力プロジェクトや草の根・人間安全保障無償資金協力事業等に係る支援現場の視察を行いました。
【1日目】


○TICAD30周年・ABEイニシアチブ10周年記念プレスセミナー
1日目は、我が国が30年にわたるTICADの歴史の中で、当初からアフリカのオーナーシップ重視という理念を掲げ、タンザニアにおける我が国開発協力においても同じ理念のもと、様々な取組を行ってきたことを紹介しました。また、アフリカの産業人材育成と日本企業のアフリカビジネスサポートを目的とし、TICADVで立ち上がったABEイニシアチブについて、卒業生であるPeter Mchuno氏が登壇し、三重大学への留学の経験や本取組の意義等を語りました。
○草の根・人間の安全保障無償資金協力による教育環境改善!
1日目の午後には、草の根・人間の安全保障無償資金協力「キボヘヘ小学校教室棟建設計画」の現地を訪れ、引渡式を開催しました。2018年2月の豪雨により教室棟が崩壊し学校が閉鎖され、児童は他の小学校に通わなければなりませんでしたが、本案件実施により、200人以上の児童が新しい教室棟で学習ができるようになり、教育環境の改善に大きく貢献した点が現地メディアに伝えられました。
【2日目】
1日目は、我が国が30年にわたるTICADの歴史の中で、当初からアフリカのオーナーシップ重視という理念を掲げ、タンザニアにおける我が国開発協力においても同じ理念のもと、様々な取組を行ってきたことを紹介しました。また、アフリカの産業人材育成と日本企業のアフリカビジネスサポートを目的とし、TICADVで立ち上がったABEイニシアチブについて、卒業生であるPeter Mchuno氏が登壇し、三重大学への留学の経験や本取組の意義等を語りました。
○草の根・人間の安全保障無償資金協力による教育環境改善!
1日目の午後には、草の根・人間の安全保障無償資金協力「キボヘヘ小学校教室棟建設計画」の現地を訪れ、引渡式を開催しました。2018年2月の豪雨により教室棟が崩壊し学校が閉鎖され、児童は他の小学校に通わなければなりませんでしたが、本案件実施により、200人以上の児童が新しい教室棟で学習ができるようになり、教育環境の改善に大きく貢献した点が現地メディアに伝えられました。
【2日目】


○JICA技術協力「SHEPアプローチ」を活用し農家所得向上!
2日目の午前中は、まず、JICA技術協力「SHEPアプローチを活用した県農業開発計画実施能力強化プロジェクト(TANSHEP)」の支援現場であるキリマンジャロ州マサエラ村を訪れました。
SHEPアプローチとは、小規模園芸農家支援のアプローチで、野菜や果物を生産する農家に対し、「作って売る」から「売るために作る」への意識変革を起こし、営農スキルや栽培スキル向上によって農家の園芸所得向上を目指すもので、TICAD Vにおいて本取組の広域展開が農業分野の柱のひとつとして打ち出されました。タンザニアにおける農業セクターは,人口の約7割が従事するとともにGDPの約4分の1を占めており、同国の経済成長と貧困削減にとって非常に重要な分野となっています。メディアはTANSHEP担当者や農家に直接インタビューを行い、本プロジェクトで3,000以上の農家が支援を受け、25%以上収入が向上したことが伝えられました。
○JICA海外協力隊による教育の品質向上!
続いて、教育分野におけるJICA海外協力隊事業「カランガ小学校」の支援現場を訪れました。ここでは、JICA海外協力隊事業により理数科目の授業を担当する福本隊員が派遣されており、同隊員がスワヒリ語で数学の授業を行っている状況を視察しました。学校関係者からは、隊員の派遣により、子供たちの学習意欲の向上だけでなく、隊員の授業手法や仕事に対する姿勢が、周りの教員にも好影響を与えていることが伝えられ、支援について感謝が述べられました。
2日目の午前中は、まず、JICA技術協力「SHEPアプローチを活用した県農業開発計画実施能力強化プロジェクト(TANSHEP)」の支援現場であるキリマンジャロ州マサエラ村を訪れました。
SHEPアプローチとは、小規模園芸農家支援のアプローチで、野菜や果物を生産する農家に対し、「作って売る」から「売るために作る」への意識変革を起こし、営農スキルや栽培スキル向上によって農家の園芸所得向上を目指すもので、TICAD Vにおいて本取組の広域展開が農業分野の柱のひとつとして打ち出されました。タンザニアにおける農業セクターは,人口の約7割が従事するとともにGDPの約4分の1を占めており、同国の経済成長と貧困削減にとって非常に重要な分野となっています。メディアはTANSHEP担当者や農家に直接インタビューを行い、本プロジェクトで3,000以上の農家が支援を受け、25%以上収入が向上したことが伝えられました。
○JICA海外協力隊による教育の品質向上!
続いて、教育分野におけるJICA海外協力隊事業「カランガ小学校」の支援現場を訪れました。ここでは、JICA海外協力隊事業により理数科目の授業を担当する福本隊員が派遣されており、同隊員がスワヒリ語で数学の授業を行っている状況を視察しました。学校関係者からは、隊員の派遣により、子供たちの学習意欲の向上だけでなく、隊員の授業手法や仕事に対する姿勢が、周りの教員にも好影響を与えていることが伝えられ、支援について感謝が述べられました。

○道路インフラ整備による地域連結性の向上!
2日目午後には、JICA有償資金協力「アルーシャ-ホリリ道路改修計画」のうち、キカフ橋建設予定地及びJOCV慰霊碑を訪問しました。JICA担当者から事業概要について説明があり、本事業区間はケニアの海岸部からウガンダ、ルワンダ、ブルンジに接続する北部回廊とケニア国内幹線道路を通じてタンザニア北部を連結する位置にあり、本事業により、急増する道路輸送需要への対応を図り、EAC域内諸国の地域統合に寄与することが伝えられました。また、本現場は交通事故の多発地帯で、1985年にはJICA海外協力隊隊員が交通事故で命を落としています。ツアー参加者は、慰霊碑の前で黙祷を捧げました。
【3日目】
2日目午後には、JICA有償資金協力「アルーシャ-ホリリ道路改修計画」のうち、キカフ橋建設予定地及びJOCV慰霊碑を訪問しました。JICA担当者から事業概要について説明があり、本事業区間はケニアの海岸部からウガンダ、ルワンダ、ブルンジに接続する北部回廊とケニア国内幹線道路を通じてタンザニア北部を連結する位置にあり、本事業により、急増する道路輸送需要への対応を図り、EAC域内諸国の地域統合に寄与することが伝えられました。また、本現場は交通事故の多発地帯で、1985年にはJICA海外協力隊隊員が交通事故で命を落としています。ツアー参加者は、慰霊碑の前で黙祷を捧げました。
【3日目】


○「カイゼン」の導入による品質・生産性向上!
3日目は、JICA技術協力「品質・生産性向上(カイゼン)による製造業企業強化プロジェクト」に関し、「カイゼン」の手法を取り入れ生産性向上を図り、今年度タンザニア・カイゼンアワードを受賞したTEMDO(Tanzania Enginieering and Manufacturing Design Organization)を訪問しました。「カイゼン」は、日本の製造業の生産現場で発達した品質・生産性向上のための手法ですが、今ではサービス業、行政機関、病院、教育機関等、様々な分野で実践されています。この手法は、TICADが掲げる産業人材育成や成長の原動力としての民間セクター開発という観点からも優れており、アフリカでは、2006年から段階的に協力を始め、タンザニアにおいては、2013年に技術協力プロジェクトが開始して以降、様々な分野で実施されています。
現地では、「カイゼン」の取組による製造プロセスの効率化をどのように行っているか現場を視察するとともに、「カイゼン」の効果等についメディアに伝えられました。
○電力インフラ整備による電力安定供給及び地域経済活性化!
続いて、JICA有償資金協力「ケニア・タンザニア連携送電線事業」の現地を訪問しました。タンザニアは、順調な経済成長に伴い、電力需要も増加していますが、発電設備の老朽化、送配電ロスなどによりピーク需要を満たせておらず、社会経済活動の弊害となっています。この協力では、アフリカ開発銀行との協調融資のもと、ケニア南部のカジアド郡イシニャとタンザニア中部のシンギダ州シンギダを結ぶ送電線(全長507.5キロメートル)を建設し、関連変電所の整備を支援し、タンザニア国内の安定的な電力供給および東部アフリカ地域の電力融通の促進・供給信頼度の向上を図り、経済活性化・地域活性化に寄与します。
現地では、プロジェクトは99%まで進捗しており、完成により電力供給の安定だけでなく、周辺国への売電等が可能になるなどの効果が伝えられました。
プレスツアー後、各紙・テレビ等ではツアーや我が国開発協力の各取組が報道されました。ツアー後1週間で20件の記事掲載、テレビ報道がされ、大手新聞社やテレビ局に加え、オンラインメディアを通じて幅広い視聴者、読者層を対象に日本の取組を発信できたことで、タンザニア国民の我が国開発協力事業への理解もより一層深まったのではないかと思います。
3日目は、JICA技術協力「品質・生産性向上(カイゼン)による製造業企業強化プロジェクト」に関し、「カイゼン」の手法を取り入れ生産性向上を図り、今年度タンザニア・カイゼンアワードを受賞したTEMDO(Tanzania Enginieering and Manufacturing Design Organization)を訪問しました。「カイゼン」は、日本の製造業の生産現場で発達した品質・生産性向上のための手法ですが、今ではサービス業、行政機関、病院、教育機関等、様々な分野で実践されています。この手法は、TICADが掲げる産業人材育成や成長の原動力としての民間セクター開発という観点からも優れており、アフリカでは、2006年から段階的に協力を始め、タンザニアにおいては、2013年に技術協力プロジェクトが開始して以降、様々な分野で実施されています。
現地では、「カイゼン」の取組による製造プロセスの効率化をどのように行っているか現場を視察するとともに、「カイゼン」の効果等についメディアに伝えられました。
○電力インフラ整備による電力安定供給及び地域経済活性化!
続いて、JICA有償資金協力「ケニア・タンザニア連携送電線事業」の現地を訪問しました。タンザニアは、順調な経済成長に伴い、電力需要も増加していますが、発電設備の老朽化、送配電ロスなどによりピーク需要を満たせておらず、社会経済活動の弊害となっています。この協力では、アフリカ開発銀行との協調融資のもと、ケニア南部のカジアド郡イシニャとタンザニア中部のシンギダ州シンギダを結ぶ送電線(全長507.5キロメートル)を建設し、関連変電所の整備を支援し、タンザニア国内の安定的な電力供給および東部アフリカ地域の電力融通の促進・供給信頼度の向上を図り、経済活性化・地域活性化に寄与します。
現地では、プロジェクトは99%まで進捗しており、完成により電力供給の安定だけでなく、周辺国への売電等が可能になるなどの効果が伝えられました。
プレスツアー後、各紙・テレビ等ではツアーや我が国開発協力の各取組が報道されました。ツアー後1週間で20件の記事掲載、テレビ報道がされ、大手新聞社やテレビ局に加え、オンラインメディアを通じて幅広い視聴者、読者層を対象に日本の取組を発信できたことで、タンザニア国民の我が国開発協力事業への理解もより一層深まったのではないかと思います。