東アフリカ諸国に対する貿易円滑化及び国境管理能力向上のための無償資金協力に関する書簡の交換

令和元年11月2日
 11月1日,ケニア共和国の首都ナイロビにおいて,我が方堀江良一駐ケニア大使と先方ライナー・フラウエンフェルド国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)ケニア事務所長(Mr. Rainer Frauenfeld, Director , Kenya Multi Country Office)との間で,「東部アフリカにおける貿易円滑化及び国境管理能力向上計画(UNOPS連携)」の無償資金協力の供与(供与額3億5,100万円)に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。
 
 経済圏として拡大が期待されている東アフリカ共同体(EAC)では,貿易円滑化を促進するための多様な努力が行われています。他方で,ワンストップボーダーポスト(OSBP)における国境手続きの効率化,国境における適切かつ効率的な貨物取締と貿易円滑化との両立といった実務面での課題に対して改善が必要となっています。また,違法薬物等の流入やテロの脅威といった課題に対して,国境での取締強化も必要とされています。
 
 この協力は,UNOPSと連携し,ウガンダ,ケニア,タンザニア,ブルンジ及びルワンダの東アフリカ諸国5か国に対して,社会悪物品(武器,麻薬,模倣品等)の国境を越えた流入を防ぐための治安対策機材を整備するものであり,国境手続き効率化と国境取締の能力向上を図り,貿易円滑化及び安全・治安環境の確保を通じた地域経済発展の促進に寄与するものです。タンザニアでは,貿易円滑化及び国境能力向上を目指したプロジェクトの一環として,国際協力機構(JICA)がルワンダ国境のルスモ及びケニア国境のナマンガにおけるOSBP開通及び運用を支援してきており,本協力による関連機材の供与・設置を通じ相乗効果を図ります。
 
 我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,安定的で信頼される制度の構築とガバナンスの強化に取り組むことを表明しており,この協力は同表明を具体化するものです。