後藤大使のタンザニア・スポーツ界探訪シリーズ(1) 国家スポーツ評議会
令和元年10月24日
東京オリンピック・パラリンピックまで残すところあと10ヶ月となりました。この機会にタンザニアのスポーツ界の状況を日本の皆さんにご紹介するため,毎週関連団体を訪問して写真を交えてご紹介したいと思います。
まず第一弾として選んだのは,1971年に法律が制定されて設立され,タンザニア政府の元で国内スポーツ振興に努める国家スポーツ評議会(NSC: National Sports Council)です。この団体は,東京オリンピックのタンザニア・チームのホストタウンとして山形県長井市がMOUを締結したカウンターパートでもあります。9月26日,東アフリカ文化祭(JAMFEST)が正面玄関前広場で開催される最中,国立競技場内のオフィスを訪問しました。

温かく迎えてくれたネーマ・ムシタ事務局長代行とモハメド・キガンジャ前事務局長によると,タンザニア国内には全国レベルのスポーツ協会(Associations)だけでも約70存在し,そのうち50~60は活発に活動しているとのこと。全国レベルのほか,もちろん州・県・村落レベルのクラブまで4層に亘る団体があり,これらは全てNSCに会則と一定の手数料の支払いをすればNSCの支援を受けられます。支援内容は,スポーツ活動の指導・助言やトレーニング,各種イベントの運営,海外遠征などにおけるパスポートやヴィザの取得支援などです。タンザニアは国土が広いので全国大会などで各チームが移動するにも交通費がかかり,少ない予算でのやりくりは大変だそうです。全国レベルの協会における指導者の育成も重要な課題となっています。
因みに評議会のメンバーは9人で,ムワキエンベスポーツ担当大臣のほか,イカンガー氏らスポーツ関係者から構成されおり,スポーツ界を代表する3名が他のスポーツ種目も代弁する形で意見表出をする仕組みだそうです。
国際大会に関しては,先にアフリカ大陸競技会がモロッコのラバトで開催されたので,タンザニアからも参加したそうですが,翌日(27日)にいよいよ東京オリンピック準備のための第一回会合が開催予定で,代表選手選考に関する技術的な事項について話し合われるとのことでした。
有力種目としては,なんといっても上記の日本でも有名なイカンガー選手が思い浮かぶ長距離を中心とした陸上競技が筆頭ですが,女子ボクシング,柔道,水泳も国際競技大会に出場する実力をつけてきているとのことです。この他の人気スポーツとして,ネットボール(ドリブルが禁止されたバスケットボールのような英連邦諸国で盛んな7人制の球技)やサッカーが挙げられるようです。陸上競技に関する問題は,やはり道路事情の悪さ,国土が広大で移動に苦労する点,そしてトレーナー不足であり,予算についてもオリンピック委員会からの助成はあるにはあるが,大した金額ではないようです。かつてロンドン・オリンピックの際に英国がパートナーシップ関係を締結して意欲的な支援をしてくれたが,その後は尻すぼみになっているので,今度は是非日本になんとか救いの手を差し伸べてくれればなあと言われてしまいました。日本はJICAを通じて,ボランティア指導者として野球の岩崎氏,ザンジバルで活躍する柔道の島岡氏が親身になって選手育成面で大いに活躍してくれているが,実に希なケースで心から感謝しているとの言葉がありました。実はJICAはNSC本部にも陸上競技指導ボランティアの佐藤文音さんを派遣しており,部屋をのぞいてみると自分のデスクを構えて頑張っていました。最後に関係者の集合写真に収まり訪問を終えました。
次回はタンザニアオリンピック委員会をご紹介しましょう。
まず第一弾として選んだのは,1971年に法律が制定されて設立され,タンザニア政府の元で国内スポーツ振興に努める国家スポーツ評議会(NSC: National Sports Council)です。この団体は,東京オリンピックのタンザニア・チームのホストタウンとして山形県長井市がMOUを締結したカウンターパートでもあります。9月26日,東アフリカ文化祭(JAMFEST)が正面玄関前広場で開催される最中,国立競技場内のオフィスを訪問しました。


因みに評議会のメンバーは9人で,ムワキエンベスポーツ担当大臣のほか,イカンガー氏らスポーツ関係者から構成されおり,スポーツ界を代表する3名が他のスポーツ種目も代弁する形で意見表出をする仕組みだそうです。


国際大会に関しては,先にアフリカ大陸競技会がモロッコのラバトで開催されたので,タンザニアからも参加したそうですが,翌日(27日)にいよいよ東京オリンピック準備のための第一回会合が開催予定で,代表選手選考に関する技術的な事項について話し合われるとのことでした。
有力種目としては,なんといっても上記の日本でも有名なイカンガー選手が思い浮かぶ長距離を中心とした陸上競技が筆頭ですが,女子ボクシング,柔道,水泳も国際競技大会に出場する実力をつけてきているとのことです。この他の人気スポーツとして,ネットボール(ドリブルが禁止されたバスケットボールのような英連邦諸国で盛んな7人制の球技)やサッカーが挙げられるようです。陸上競技に関する問題は,やはり道路事情の悪さ,国土が広大で移動に苦労する点,そしてトレーナー不足であり,予算についてもオリンピック委員会からの助成はあるにはあるが,大した金額ではないようです。かつてロンドン・オリンピックの際に英国がパートナーシップ関係を締結して意欲的な支援をしてくれたが,その後は尻すぼみになっているので,今度は是非日本になんとか救いの手を差し伸べてくれればなあと言われてしまいました。日本はJICAを通じて,ボランティア指導者として野球の岩崎氏,ザンジバルで活躍する柔道の島岡氏が親身になって選手育成面で大いに活躍してくれているが,実に希なケースで心から感謝しているとの言葉がありました。実はJICAはNSC本部にも陸上競技指導ボランティアの佐藤文音さんを派遣しており,部屋をのぞいてみると自分のデスクを構えて頑張っていました。最後に関係者の集合写真に収まり訪問を終えました。
次回はタンザニアオリンピック委員会をご紹介しましょう。