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    >>山形県寒河江臥龍太鼓保存会のタンザニア訪問

    8月22日から27日にかけて山形県寒河江市より寒河江臥龍太鼓保存会の6名がタンザニアを来訪し、ダル・エス・サラーム及びアルーシャにて計4回の公演を行いました。

    山形県は、日本の地方自治体で唯一タンザニアと交流関係にある山形タンザニア友好協会があります。その山形県より、太鼓演奏者を招待し、日タンザニアの交流を深める機会をつくりたいとタンザニアのアルーシャに居住している同協会事務局長の齋藤弘さんに相談をしたところ、寒河江臥龍太鼓保存会の名前が挙がり、タンザニア日本人会で招待することとなりました。

    タンザニアへ来訪することとなったのは、会長の小角弘さんをはじめ、今井美湖(みこ)さん、佐藤康人(やすひと)さん、安達愛美(まなみ)さん、庄司洋(ひろ)さんと渋谷駿平さんの6名。寒河江臥龍太鼓の皆さんは普段は一般の人と同様に仕事をされている方たちです。今回の海外公演が決定してから、会長の小角さんが新たに作曲・編曲した3曲も含めた7曲を仕事後や休日に猛練習を重ねたそうです。中には腕が太くなりすぎてTシャツが着られなくなった人、練習後、腕に力が入らず箸が持てなくなった人もいたそうです。


    左奥より右へ小角弘さん、渋谷駿平さん、佐藤康人さん。
    左手前より右へ今井美湖さん、安達愛美さん、庄司洋さん。

    寒河江臥龍太鼓保存会にとって初めてとなった今回の海外公演は先ずダル・エス・サラームのホテルで行われ、400名の観客が集まりました。さすがに緊張したという皆さんでしたが、猛練習を重ねてきただけあり、「プロでないとは思えない」という感想が述べられるほどの演奏に最後はスタンディング・オーベーションが起こりました。


    今回運ばれてきた大太鼓は直径91cmの大きさ。
    大太鼓としては小ぶりながらも迫力は十分。

    翌日、臥龍太鼓の皆さんは毎年ダル・エス・サラームで行われている日本人会夏祭りに参加。タンザニアに在住している日本人や外国人356名が参加した祭りの会場の中心で太鼓演奏を行ってもらった他、山形から持参した花笠を参加者たちに配って花笠踊りを踊り、例年以上に夏祭りらしい雰囲気を醸し出してくれました。



    夏祭り会場のやぐらの上で演奏している様子



    キリマンジャロ環境文化体験センターにて。

    翌朝は飛行機でアルーシャへ移動。最初に訪れたのはエニョイト中学校。この中学校は、山形タンザニア友好協会より、校舎の建設計画の推薦があったため大使館の草の根無償資金協力を利用して実現に向けて動き出していました。その建設計画の署名式を寒河江臥太鼓の皆さんが来訪するのに合わせて行い、関係者に日本の文化を理解してもらう機会としました。ダル・エス・サラームと違って、現地の人々にとって外国人を見るのは珍しいこと。しかも臥龍太鼓の皆さんは演奏用の衣装に着替えていたため、署名式中も生徒たちは臥龍太鼓の6名に釘付け。当然演奏が始まるとみんな大喜びでした。

    この日は休む間もなく、夕方にキリマンジャロ環境文化体験センター(Kilimanjaro Ecology and Culture Experience Centre: KECEC)での演奏がありました。この会には、共催者であるアルメル県知事の側からもタンザニアの太鼓と踊りも披露されました。日本と同様、タンザニアでも太鼓は伝統的な楽器。しかし、スワヒリ語で「太鼓」を表す単語「ンゴマ」は実は「踊り」も意味する単語。太鼓一つ取っても違う日本とタンザニアのお互いの文化を知り合う良い機会となりました。

    今回の行事が今後の山形とタンザニアの交流促進の一助となれば幸いです。

    寒河江臥龍太鼓保存会の皆さん、強行軍の日程の中、渾身の演奏をありがとうございました。


    エニョイト中学校。炎天下で1500名を前にした演奏となりました。