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    >>第一回日本タンザニア経済協力協議

    7月5日の朝9時から午後1時まで4時間をかけて、第一回日本タンザニア経済協力協議が開かれました。第五回TICAD(国際アフリカ開発会議)が6月1日から3日にかけて横浜で開催され、安倍総理が日本のアフリカ開発に対するさまざまの貢献策を発表した後、最初に開かれるアフリカの国との間の二国間経済協力協議です。TICADの成果を踏まえ、また、TICADの際の二国間首脳会談などで出て来たタンザニア側の要望を具体化するための機会が、大変迅速に設けられることになりました。

    また、今回の協議にはタンザニアとの経済協力のやりかたを刷新する意味もありました。タンザニアとの間では従来経済協力についての協議が開かれていたことがありましたが、ここ数年途絶えており、その間タンザニア側からの支援要請は個々の政治家や官庁からばらばらに出て来ていました。日本側からの提案で、それを改め、新しいやりかたで行くこととし、今回がその最初の会合となったわけです。すなわち、今回、日本側への支援要請は、タンザニア側が、自国の開発計画を踏まえ、日本の持っている能力や可能性、更にはタンザニアで行われているドナー協調などから来る制約なども勘案して、優先度を付して、日本側に提案することにしました。

    タンザニアが、日本からの支援の内容を国家運営全体から考えて選び要請することにすれば、タンザニア側の政策決定遂行の自主性が増し、日本からの支援に対する理解が大統領を中心とした国家運営の中枢により良く理解され、その結果タンザニアの国家発展に一層効果的に組み入れられることになるだろう、という考えの下に新しい方式を日本側から提案したのですが、この考え方は大変歓迎されました。

    今回の会議には、日本側は、在タンザニア岡田大使が日本側議長となり、東京から対タンザニア支援の立案実施の責任者である外務省国際協力局貴島国別三課長とJICAアフリカ部渡辺アフリカ二課長が参加し、大使館の担当者と大西所長を始めとしたJICAタンザニア事務所の関係者しました。タンザニア側は、大統領府国家計画委員会ムパンゴ委員長がタンザニア側の議長となり、運輸省、エネルギー鉱物省、水省、建設省、産業貿易省、教育訓練省、保健省の7省から次官が、外務省、財務省、農業省、地方行政庁の4省から次官代行ないし副次官が、更にザンジバルの国家計画委員長が参加しました。

    タンザニア側は、関係省庁の事務方のトップが顔をそろえて参加するという豪華な顔ぶれとなったのですが、これは一面で日本の支援に対する期待の大きさを示すとともに、今回の方式が必ずしも十分に理解されておらず日本側の責任者に対して直接それぞれの省庁の要求を述べたいという気持ちがあったであろうことも排除できません。

    しかし、会議を通じて日本側からタンザニア側の中で調整し優先度を付すことが求められているということへの理解が徹底することになったと思います。また、日本側から、経済協力を通じてタンザニアの国の発展に対して如何に効果的に協力をしてきているのか、例えば、今まで行ってきた米増産・灌漑技術移転協力によってタンザニアがコメ生産のアフリカの中心とするように多大な努力を傾注しているのか、日本の対タンザニア民間ビジネスをいかに促進しようとしているのか、という個別の案件を超えた日本の協力の全体像を認識してもらうことにも大きく貢献しました。


    日本側代表団席:左から貴島課長、岡田大使、大西所長

    会議の終わりに、タンザニア側のムパンゴ議長から、今日の議論を踏まえ、一週間後までに優先度を付したタンザニア側の提案を提示する、という決意表明がありました。また、ムパンゴ議長他の関係者からは、日本の支援から始めてタンザニアの内部での政策調整能力を強化し、他の国の支援などにもこの経験を敷衍していきたいという考えが示されました。容易ではないでしょうが、タンザニアがそのような方向に進んでいくことを願っています。


    記者会見で発言するムパンゴ大統領府国家計画委員長(左)と在京シジャオナ大使

    傾聴するチャンボ運輸次官は、中央鉄道のリハビリという大きな課題を抱えている。