大使館関連行事

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    >>草の根・人間の安全保障無償資金協力事業「アルーシャ州アルメルー県2村給水計画」署名式


    平成26年3月12日、松永公使とメルー県行政長官との間で贈与契約が結ばれました。 式典には、来賓のエリー・ムタンゴ前駐日タンザニア大使をはじめ、州・県関係者や地域住民が集まり、日本に対して繰り返し感謝が述べられました。



    この協力は、タンザニア北部アルーシャ州アルメルー県マジヤチャイ郡に位置する、 キワワ村とンゴンゴンガレ村に給水施設を整備するものです。 同地では、これまで住民手製の5~10mの井戸から水を調達していました。しかし、給水地を多く設けたために 需要が供給を上回り、特に乾季には水が出ないという課題がありました。

    そこで、本計画では、案件地を見下ろすメルー山から流れるウサ川流域の水源から水を揚水機で汲み上げ、 村内5km先まで12カ所に水を届ける施設を建設します。 この計画の実施により、同2村の人口計約5,000人と家畜1,000頭が裨益するとされています。 今まで水汲みのためにウサ川まで最長往復10km歩かなくてはならなかった女性や子供も、 家事や学習のために時間を節約できるようになることが期待されます。

    本案件の準備にあたっては、地域住民の有志が募った「水使用者委員会」が既に設置されており、 建設中の警備や、完成後の施設の維持・管理、水料金の徴収などを積極的に実施することが確約されています。 一つの案件を通じて、こういった小規模の組織が形成され、地方自治体と連携して一つの課題を解決することも、 目に見えないものの大きな裨益効果となりうるのではないでしょうか。


    また、メルー県行政長官は、JICAが実施している 「地方政府改革プログラム(通称:大阪研修)」への参加者の1人でもあり、 2013年下旬には日本を訪れ、日本の地方分権化の経験・教訓を学ぶとともに、各地の地方自治体における地域開発や環境保全の実践事例に触れました。 本署名式でも、同行政長官より「日本での研修から得た経験を活かし、県庁職員を率いて、この水案件完了に臨みたい」との抱負が語られました。


    ※アルメルー県は、2つの行政機関(メルー県議会とアルーシャ県議会)があります。 本案件地はメルー県議会の管轄に含まれるため、被供与団体は「メルー県(県庁)」となっています。


    署名した契約書を交換する公使とメルー県行政長官


    貯水タンク設置箇所(写真右側)近くでトウモロコシを耕す村人。タンクに繋いだ配水管がこの地下を通り、傍に給水地が設置される。


    当地付近に住むマサイの人々の伝統衣装をまとう公使とムタンゴ前駐日タンザニア大使(右)



    公使によるスワヒリ語でのスピーチに、来賓の顔もほころぶ



    案件内容を熱心に聞き入る地域住民やメルー県関係者



    地元でお祝いには欠かせないという雄ヤギの丸焼き「ンダフ」



    配水元となるメルー山麓の水源