安全・医療情報

  • タンザニアに滞在される方へ
  • 安全状況と対応の仕方
  • 衛生医療事情
    1. かかりやすい病気・怪我
    2. 健康上心がけること
    3. 予防接種
    4. 現地医療機関

    医療事情

    1.かかりやすい病気・怪我

    原因やリスクを正しく理解することで予防できることもあり、早期に治療することも できます。

    (1)マラリア

    年間を通じてマラリアが流行しています。薬剤耐性を持った「熱帯熱マラリア」が 主流となっています。初期に適切な治療が行われなければ貧血、腎不全、内出血など の他に脳障害によって死亡することもあり「悪性マラリア」とも呼ばれます。熱が出 たら病院で早期にマラリア検査を受ける必要があります。

    対策としては、マラリアを媒介するハマダラ蚊に刺されないように工夫することが一 番です。ハマダラ蚊は日没から日の出まで活発に活動するため、夜間は特に注意が必 要で、長袖シャツ、長ズボンを着用し、虫除け剤(repellent)、蚊取り線香、電子 蚊取り機器などを使用するとよいでしょう。(なお2010年よりデング熱も流行し始 めており、昼間吸血行動を行うネッタイシマカにも刺されないように注意する必要が あります。)

    マラリア予防薬を服用するかどうかは行き先や滞在期間にもよりますが、まず渡航前 にあらかじめ日本の医師と相談して説明を十分に受けることをお勧めします。服用の 方法、副作用などが薬によって異なるため、自分にあった処方を受けるよう心がけて ください。予防薬としては、日本でも購入できるメフロキン(商品名メファキン)が あります。現地で購入できるアトバコン・プログアニル合剤(商品名Malarone)も 良い効果を上げています。治療薬としては、アルテミシニンの合剤(ACT)であるコア ーテムなどが有効です。アルテミシニンの単剤(コテキシンなど)でも、耐性(薬が 効かないこと)が報告されています。

    信頼できる病院施設のない地方に長期滞在する場合には、医師に相談の上、治療薬を 持参し、初期の自己管理を行ったあと都市部の病院を受診するという方法もあります。 帰国後1か月(マラリア流行地を離れて1か月)の間に発熱があった場合には、マラ リアの可能性も想定し、受診先の医師にマラリア汚染地域に滞在していた旨を告げ、 相談するようにしてください。国内での治療機関については、最寄りの検疫所に問い 合わせて、感染症科のある病院をご利用ください。

    (2)下痢性疾患

    タンザニアを旅行中に下痢を経験することは稀ではなく、原因や程度はさまざまです。 軽度のもの(1日5回以下の下痢、体温37℃未満)であれば水分補給や市販薬の服用 で有効なことも多いですが、水のような下痢が頻繁にある、血液混じりの便が続く、発 熱を伴う、腹痛の強い時や嘔吐を伴う場合には病院受診によって治療を受けた方が賢明 です。散発的ではありますが、コレラや赤痢、腸チフスの発生も見られていますので注 意が必要です。下痢や嘔吐がマラリアの随伴症状であることもあります(日本人で約1 6%)。

    (3)HIV(エイズ・ウィルス)感染

    ヒトから感染します。統計によるとタンザニア国民のHIV成人罹患率は5.6% (2010 Report on the global AIDS epidemic, UNAIDS/WHO)と高率です。感染者の血液・ 体液との接触により感染が起こるため、母子感染による小児の患者も稀ではありません。 HIV キャリアの血液・体液との接触や、輸血を受けるような事態を避けるよう、またケ ガ人の手当、危険な性交渉、交通事故などには十分注意する必要があります。

    (4)その他感染のおそれがある風土病等

    (5)有害昆虫、爬虫類など

    タンザニアの動物の中には、毒性を持つため注意が必要な動物も見られます。 アオバアリガタハネカクシ(ナイロビ・フライ)は、日本でも見られますが、「フライ (蝿)」というよりは、羽の小さなハチか、大きなアリのように見えます。体長1 セン チほどで、頭と体が赤と黒のしま模様になっており、とても目立ちます。この虫の体液 にはペデリンという毒があるため、不用意につぶすと毒の付着した部位がひどい皮膚炎 になります。虫の体液が着いた手で目をこすると、激しい目の炎症を起こし(ナイロビ・ アイ)、失明することさえあるといいます。つぶさずにそっと払いのけるようにしてく ださい。

    また、当地で見られるヘビ類がすべて有毒という訳ではありませんが、大都市でも比較 的目にすることの多いグリーンスネーク(グリーン・マンバ)は、神経毒を持っており 注意が必要です。体長1メートル弱で、木の上から落ちてくることもあるので、見かけ たら捕まえようなどとせず、接触を避けてください。

    (6)交通事故

    急激な中古車の増加により十分整備の整わない車が走り回っていたり、道路の整備が 追いつかないなどの理由によって、交通事故が急増しています。市内の乗り合いバスは 定員以上に人が乗り込み、また整備も悪いこともあってブレーキがきかず多くの事故を 起こしています。また最近はバジャジと呼ばれる小型3輪タクシーによる事故が急増し ています。適切な救命施設もないために、日本では助かる程度の外傷であっても、死に 至る可能性がありますので十分注意して下さい。

    (7)高山病

    キリマンジャロ山への登山者が高山病や登山による持病の悪化で死亡するケースが毎 年発生しています。同山そのものは登山道の傾斜が緩いため特別な登山技術や装備を必 要としませんが、5800メートルもの高度に順応できないため体調を崩し、高山病にな る可能性があります。肺や心臓の持病が高度によって急激に悪化することも稀ではあり ません。

    肺や脳への影響が重症化し、緊急に下山が必要になっても、救助体制の問題で下山する のに1日近くかかるため、その間に死亡しているケースがほとんどです。高山病の初期 症状である頭痛・吐き気等が見られたら、スケジュールを気にして急いだり、「せっか く来たんだから」と無理をすることなく、即刻下山(ゲートまで)することを検討して ください。無理をしない行動が自らの命を救うことを忘れないようにしてください。ま た、緊急単独下山に備え、ガイドやポーターの人数にも余裕を持たせてください。 山頂近くではマイナス10度まで気温が下がることもありますので、防寒装備は必須で す。


    ハマダラ蚊

    グリーンスネーク