「第3回:青年海外協力隊員、キクウェテ大統領を表敬」

 

 

去る6月12日、タンザニアの各地で2年間の活動を終了した青年海外協力隊(JOCV)の隊員8名が、キクウェテ大統領を表敬訪問しました。地域の人たちと2年間一緒になって生活し、スワヒリ語もすっかり上達した隊員達は、大統領を囲んで親しく体験談などを報告したのに対し、大統領からは「草の根レベルでタンザニア人のために尽くしてくれた日本の青年ボランティアの皆さんに、心から感謝したい。出来ることならば、もっと長くタンザニアにいてもらいたい。」との暖かい感謝の言葉が贈られました。大統領との懇談はほとんどスワヒリ語で行われましたが、終始笑い声が絶えないとても和やかなものでした。スワヒリ語が判らないでいる私に向かって、大統領から「大使も早くこの若い人たちのようにスワヒリ語が上達するといいですね。」と冷やかされる場面もありました。

 

キクウェテ大統領とJOCV隊員

(キクウェテ大統領(中央)と青年海外協力隊員)

 

タンザニアでのJOCV活動は、独立後間もない1967年に開始され、既に40年以上の歴史があります。これまでに約1300人の隊員が派遣され、中学高校での理数科教師、農村開発、HIV/AIDS対策、保健衛生、コンピュータ技術等々、様々な分野で地域住民の生活・福祉の向上のために活動しています。近年は、常時約70名の隊員たちがタンザニアの各地に展開していますが、首都ダルエスサラームからバスで2日もかかるような遠隔の地でがんばっている隊員もいます。

 

稲

(モザンビーク国境近くの町で活動する理数科教師隊員)

 

このような隊員の日常生活には、とても厳しいものがあります。電気はもとより水道も無い厳しい生活環境の地方の村で過ごす隊員も多く、「雨水をためて半年間これを飲料水として利用した」、「マラリアに罹ったけれど何とかがんばった」、「タンザニア人から学んだことも多かった」等々、それぞれに貴重な体験を重ねながら、タンザニアの人々のために青年の情熱を傾けるJOCVの隊員達の真摯な姿には、本当に頭が下がります。

 

理学療法士隊員

(歩行訓練のために義足を取り付ける理学療法士隊員)

 

私は、こうしたJOCV隊員の日頃の努力に報いる意味で、大統領への表敬訪問が実現出来ないものかと予てから考えておりました。そこで、近日開催予定のJOCV隊員総会で全員が顔をそろえるのを機会に、隊員達の日頃の活動を大統領に知ってもらおうと、一同での表敬を申し入れていたのです。すると今月12日の朝突然に大使館に電話が入り、「総会の当日は大統領の日程上どうしても都合がつかないが、本日昼前ならお会いできるがどうか?」とのこと。早速JICA事務所に確認してみると、運よく帰国間際の隊員8名がダルエスサラームに集合していたため、この隊員達によって上記のような大統領への表敬が実現したのでした。隊員8名は、この日大統領から官邸での夕食会に招かれるという得難い経験もしたのですが、キクウェテ大統領の暖かい配慮とそれを受けるに値する隊員たちの活動実績を実感した一日でした。

 

握手するキクウェテ大統領

(一人一人の隊員と握手するキクウェテ大統領)